コーヒーと健康 Vol.2
2015/08/19
最近コーヒーを飲むと調子が悪くなります。
アイスコーヒー用の深煎りの豆で少し濃い目にいれたのをガブガブ飲んでいたからかも知れません。飲んだ後でお腹が重苦しくなったり、胸焼けが普段より強かったり、喉に痰が絡みやすくなったりします。また飲む量が少ない時は排便を促すのですが、量が多くなると逆に便秘がちになります。こういう時はコーヒーを飲んでも美味しくなくなるのでしばらく飲むのを止めます。
この止めている時に、ちょっとした実験をしてみました。私の場合はコーヒーを飲む理由の一つに仕事に気合を入れるという目的があります。これはおそらくカフェインの効果なので栄養ドリンクでも同じはずです。オロナミンC-ROYALPOLISを飲んでみました。(ちなみに人工甘味料が嫌なのでこれを選びました)
すると眠気がとれて気合もはいりカフェイン効果で同様の効果があるのですが微妙に反応が違うような気がしました。カフェインの量は1本当り18mgだそうです。ちなみにリポビタンDは50mgでコーヒーは一杯当り60mg程度のようです。深煎りで濃い目にいれているのでもう少し多いかもしれません。
◯ 気合は入るのですが気合の持続性が違う気がします。カフェイン量の差もあるのですが感覚的に栄養ドリンクのカフェインはサラッとしていてコーヒーのカフェインは重たく持続的に効いてくる感じがします。
◯ 栄養ドリンクのカフェインだと胸焼けやなどコーヒーを飲んだ時の重苦しい症状は出ないようです。
◯ 自分の体感上、おそらくコーヒーの別の成分が症状の原因のような気がします。もしくはカフェインとの相乗作用かも知れません。
現代医学のアプローチだと物理的、生理学的な観点からしか判断しないと思うので、統合医療的なアプローチもちょっと調べてみました。
【インドの伝承医学 → アーユルベーダ】
アーユルヴェーダはインド大陸の伝統的医学である。 ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)、中国医学と共に世界三大伝統医学のひとつであり、相互に影響し合って発展した。 トリ・ドーシャと呼ばれる3つの要素(体液、病素)のバランスが崩れると病気になると考えられており、これがアーユルヴェーダの根本理論である。 その名は寿命、生気、生命を意味するサンスクリット語の「アーユス」と知識、学を意味する「ヴェーダ」の複合語である。トリ・ドーシャ説は、生きているものは全て、ヴァータ(風、運動エネルギー)、ピッタ(胆汁または熱、変換エネルギー)、カパ(粘液または痰、結合エネルギー)という3要素を持っており、身体のすべての生理機能が支配されているとする説である。
◯ コーヒーはヴァータのエネルギーを上げて自律神経を興奮状態にする
◯ コーヒーは熱帯地方の作物なので体を冷やし、消化を乱す作用があるので推奨されない
◯ 朝6時~10時まではカパのエネルギーが高まり体が重くなっているので飲むならこの時間帯が良い
◯ コーヒーの毒作用を中和する為にスパイスのカルダモンを入れると良い
※実際にアラブ方面では、カルダモンコーヒーがあります。
※ちなみに私は独特な甘いカルダモンの香りが本来のコーヒーの香りをスポイルする気がするので好きではありません。
【ホメオパシー】
ホメオパシーはドイツ発祥で、英国王室も正式に取り入れている伝統のある医療分野です。
ホメオパシーは、今から200年前にドイツの医師ハーネマンがその生涯をかけて確立させた自己治癒力を使う同種療法です。 同種療法の起源は古代ギリシャのヒポクラテスまでさかのぼることができ、「症状を起こすものは、その症状を取り去るものになる」という「同種の法則」が根本原則になっています。 ギリシャ語で「同じ」という意味の「ホメオエ(homeoeo)」と「病気」を意味する「パシー(pathy)」を合わせた言葉で、近代西洋医学のように、症状を抑え込む療法とは正反対の、「症状には同じような症状を出すものを天文学的に希釈振盪して与える」という「同種の法則」に基づいています。
引用 日本ホメオパシー医学協会
◯ 上記の天文学的に希釈振盪して与えるレメディが人によっていはコーヒーによって打ち消される場合がある
◯ コーヒーに依存してやめられないこと自体がホメオパシーによる治療の所見となる
【東洋医学】
中国や日本の伝統医学で、日本では採用している病院もある比較的メジャーな代替医療です。
東洋医学には3つの基本的な考え方があります。<陰陽・五行><五臓六腑><気・血・津液(シンエキ)>という考え方です。
<陰陽>は自然界で当てはめれば、太陽と月・水と火・海と山・昼と夜など、必ず自然界には表があれば裏もあると言う考え方から、人間の体のも当てはめているのです。
<五行>とは火・木・土・金・水五種類が有り、これらはそれぞれの独自の働きがあると考えれており、これを陰陽と同じく体などに当てはめる事で、それぞれの体の部分のバランスを見ていきます。です。
<五臓六腑>の五臓とは肝・心・脾・肺・腎の事を言います。六腑は胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦の事を言います。これらがバランスよく働くという体は健康であると考えており、どれか一つでも働きが欠ける事で、体のバランスが崩れ病気などに繋がると言う考え方です。
<気・血・津液>簡単に捉えるならば、流れという事になります。この三つの流れが悪い事で、どこかに滞りが発生し体のバランスが崩れるという事になります。その為、これらの流れを回復させてあげる事で、体の体調もよくなるという考え方です。
◯ 東洋医学的にみると、コーヒーは発奮材料です。
◯ 肝臓に血(ケツ)が少ない人(東洋医学では肝虚体質と診ます)は、行動を起こす時に何か興奮材が必要になります。興奮させる事によって、血(ケツ)を動かし、行動に移る準備をします。
◯ コーヒーは身体を冷やす作用が強いので温めて飲んでも身体自体は冷えやすくなります。
◯ インスタントコーヒーは副腎を疲れさせる為、豆コーヒーの方が良い。
【アンドルー・ワイル】Andrew Weil
アメリカの健康医学研究者。伝統中国医学など代替医療の伝統も取り入れ、人間に本来備わっている自然治癒力を引き出すヘルスケア・システムである統合医療を提唱しています。特にコーヒーの害について指摘しているので取り上げてみました。一時期脚光を浴びた著書に「ナチュラルメディスン」がありますがその中に、
◯ 毎日欠かさず飲んでいる人はまず嗜癖(中毒)になっていると考えなければならない。
◯ 不安、イライラ、怒り、精神的な不安定さを招く原因になっていることが多い。
◯ 不眠、あるいは熟睡を妨げる原因、抑うつ状態を招く。
◯ カフェインぬきコーヒーは不活性飲料ではない。少量のカフェインに加え、カフェイン以外のコーヒーの活性成分が含まれ、それが神経系・消化器系・心臓血管系・泌尿器系を刺激する。
◯ 原因不明の慢性症状の原因になっていることがある
【ルドルフ・シュタイナー】Rudolf Steiner
最後に神秘思想家で神智学や人智学の分野で活躍した哲学者でコーヒーについて述べたくだりがあるので引用します。
コーヒーが胃に引き起こすのとおなじものを、みなさんは論理的に思考するときに、頭の中に引き起こします。みなさんは、コーヒーを飲むと、ある方法で首尾一貫した論理を思考の中で促進させます。コーヒーを飲むと思考の強さにとって必要な活動が高まる、といえます。コーヒーは首尾一貫した考えを促進させますが人間はコーヒーの作用に依存するようになります。コーヒーは強制的に作用するのです。外からの作用の依存を、みなさんは自分の中に感じます。コーヒーをたくさん飲むと、首尾一貫した思考をすようとしようとするとき、依存的になります。自立して思考しようとするなら、下部に作用するものから自由にならなくてはなりません。自分のなかに、心魂から発する力を形成しなくてはなりません。
最後のルドルフ・シュタイナーの言葉は自分の中でストンと腑に落ちるものがあります。この記事をまとめながら明らかに自分がコーヒー中毒であることを自覚し、”外からの作用の依存から自由になり、自分のなかに、心魂から発する力を形成しなければなりません”という言葉にハッとしたのでした。
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